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「キャリア」ニュース就活サークルで自分探し、ネット離れ濃密な人間関係築く 就職活動(シューカツ)を目的とした学生サークルが全国で広がっている。大学の枠を超えて集まった学生が情報交換や試験対策をしながら、結束を深めていくのが特徴。内定後、後輩へのアドバイスを引き受ける学生も多い。自分の経験を伝えたい――。デジタル系といわれ他者とのコミュニケーションが不得手とも指摘される若者だが、シューカツを通じ熱いアナログ系にひかれているようだ。
内定を辞退してサークルを本業にする大月さんは、まれなケースといえるが、インターネットを使った就職活動が全盛の今、逆行するように大学の垣根を超え、シューカツ仲間を求める学生が増えている。 首都圏に住む大手銀行の新入社員、遠藤直美さん(23)がサークルに入ったきっかけは、自らシューカツの悩みを書き連ねたブログ(日記風簡易型ホームページ)だった。「大学にある運動や文化系のサークルに入っていないので相談する人は少ない」。そんな悩みにある時、コメントがきた。「『ちゅ〜ずでい』というサークルで社会人との交流イベントがあります」 参加してみると「出会った証券会社の先輩を見た瞬間、オーラを感じ、この人みたいになりたいと思った」。今どきの若者のボキャブラリーを交え話す遠藤さんは金融業界を目指すことを決め、「ちゅ〜ずでい」に参加。昨年4月に内定を取った後も、スタッフとして後輩向けのイベント企画に奔走した。 「(就活サークル設立の)背景には情報過多や学生の孤立感がある」。リクルートの就職情報サイト「リクナビ」の前川孝雄編集長は指摘する。毎年のように変わる採用時期・方法。企業業績が上向き始めた2003年ごろからは、ネット掲示板で得られる企業情報も増加の一途。どの情報が正確で信用できるのか。不安に駆られた学生がネットではつかめない最前線の情報をサークルに求めている側面があるという。 それにしても就活サークルで、後輩の支援になぜ熱中するのか。社会学者の岩間夏樹さんは「大学入学の時期が就職の『超氷河期』だったことが影響している」と見る。 岩間さんによると、ここ2、3年、シューカツに挑む学生は、大学入学時から就職が最大の目標。サークルなど組織に属さず、ダブルスクールや資格取得に走った人も少なくない。そして内定という果実を求めて就活サークルに入って知った濃密な人間関係。「その仲間意識に、意外に居心地の良さを感じているのでは」と指摘する。
こうした就活サークルの学生たちの“ノリ”を活用する企業も現れている。 損害保険ジャパンは3年前から内定した学生に、次年度に就職活動する学生の支援を依頼。ホームぺージづくりや交流会を任せている。「内定後、社会人としてやっていけるか不安だった。同期と後輩の就職活動の手伝いをし、今は自信が持てる」と話すのは新入社員、斎藤詩加さん(22)。 「伝えたい思いを持っていても、それがパソコンや独り言にとどまる若者が多い」(岩間さん)。しかし、仲間でその思いを共有すれば伝える勇気を持てる。それが就活サークル。組織を好まないと言われる昨今の大学生だが、実際はそうでもない。熱い仲間意識は、企業社会への適応力も備えているといえそうだ。 [4月25日/日本経済新聞] ニュースジャンル一覧 |
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